津軽リンゴも売ってます
「美味しく楽しい生活」をテーマにした秋のセールが終わった。今回はリンゴが主役である。DM、チラシ、ポスターのデザインはオープン以来の「くらしのくら」専任デザイナー、岡山在住で半農半Xを実践している岡野雄一郎さん。
*ダイレクトメールとふじリンゴ
何せ初めてのことである。「まずは食べてみたい」とスタッフは意気込む。知人を介してリンゴを作っている夏堀農園の夏堀さんに津軽リンゴを直送していただくことになった。セール前にジョナゴールドを送っていただき試食をした。いわゆるスーパーで買うリンゴとは違うみずみずしい美味しさなのだ。「こんな美味しいリンゴはなかなか無いよ」と全員一致でリンゴセールが決定した。
果汁を飛ばし、歯茎から血を出して、リンゴを丸かじりしたのは遥か昔のことである。今は、農薬のみならず放射能の汚染を考えると、リンゴをそのままかぶりつくというのは勇気のいる時代となった。夏堀さんのリンゴは低農薬、無施肥の栽培なので、薬害の心配は無い。放射能はどうなのか。青森県によるリンゴの測定は検出限界が10~15ベクレルで不検出となっている。(ちなみに国の安全基準は100ベクレル以下。99ベクレルでも不検出となる)小さな子供に食べてもらうために緻密な放射能の測定をすることにした。依頼したのは三軒茶屋にある民間測定所「CRSせたがや・市民放射能測定所」である。(週間朝日10月25日号で「イタリア産ポルチーニ282ベクレル、イケア販売ブルガリア産ブルーベリー164ベクレルが日本の食卓に」という衝撃的な記事が掲載されたが、その測定を行ったのがCRSである)
朝、夏堀さんちのリンゴを1キロ分フードプロセッサーですりおろし、タッパーに入れてCRSへ持参。夕方にはセシウム137は不検出(検出限界値3.15ベクレル/kg以下)、セシウム134も不検出(検出限界値2.95ベクレル/kg以下)という測定結果が出た。セシウムはほぼ無いと言って良い。夏堀さんに「是非皮をむかないで食べてね」と言われていたのだが、これで堂々と「お子様と安心して丸かじりして下さい」とお客様におすすめできる。測定結果も印刷して資料として持ち帰られるように用意。
この検査で驚いたことがひとつ、このすりおろしたリンゴを測定所に運んで行った時に、すりおろしてから数時間経っているのに殆ど変色していないのである。塩を入れていないにもかかわらず、やや色が濃くなっただけである。夏堀さんによると無施肥で栽培したためだそうだ。肥料をやらずにリンゴを収穫すること自体驚くことだが、その結果が目で見えるのである。(夏堀さんは映画「奇跡のりんご」で有名になった無農薬、無施肥栽培のリンゴを作った木村秋則さんの仲間でもある)
折り込みチラシを見て遠くからリンゴを買いにきてくれた人もいた。ついでにウチの品物をお買い上げ頂いたかは不明だが・・・・・
*手書きポスター
また、数日後、美味しかったと追加で買ってくれた人や、宅配便で1ケース14個お買い上げの方も。リンゴを前にお客さんとの会話も弾んだ。しかも、「美味しかった」という、「くらしのくら」では余り交わされない会話をしながら!リンゴをきものや貴金属と一緒に売ることで、スタッフも笑顔になるのだった。それに、リンゴの甘酸っぱい匂いが立ち込めるお店は悪くないなあ。
ともあれ、この津軽リンゴはセール11日間でおよそ200個が売れた!初めての試みなので対前年比は無い。スゴイのかマアマアだったのか良く分からないが、楽しいセールになったのは確かである
セール売り上げは目標をクリアしたが、レジ前が混乱するようなお祭り的雰囲気が変化してきたような気がする。高額品が売れて一点単価は上がったものの、販売点数が減少したことにも関連しているかもしれない。
だからこそ、「楽しんで買っていただく、楽しんでお売りしていく」その気持を持続していきたい。
(正月は「お年玉プレゼント」ウイークを計画中!)