リサイクルの吉野家になるぞ
3月31日、春のセール最終日、「リサイクルの吉野家になる!」と宣言した。翌日4月1日より消費税が8%になる。4月以降の「くらしのくら」の消費税の表示方法は従来通り総額表示、多くの品物は従来通りの価格(およそ3%引き)とし、一部に限って増税分をのせることとした。
「くらしのくら」開業時はすでに消費税は5%だったので、消費税アップ時のショック体験は無いが、3月の狂乱とも言える駆け込み需要は当然その反動を呼ぶと考えられる。
それに対するスーパーや小売、飲食業界などの対応はわかれた。3%から5%に上がった時の売上急落の恐怖体験からか、本体価格の値引きで対処する小売店やスーパーがある一方、その時の大幅値引きでデフレスパイラルに入ってしまったと反省、商品の質の向上に注力しプライスアップをはかる会社もある。
後者の代表格といえるのがセブンアイホールディングスで、「つくるものがたり」というスタイルでその商品の製法からスタッフの写真まで様々な情報を添付してこだわりの品を拡大販売することで立ち向かおうとしている。それらの商品は従来の品物より割高に設定してあるが、目標を上回る売上だという。セブンイレブンの「金の食パン」も好調な売上を維持しているようである。
だが、このセブンアイホールディングスの構え方は注目に値すると思う。作り手が「価値あるものは正当な対価で買ってほしい」と思うのは当然である。売れないからと言って安くするのではなく、商品価値に対するまっとうな価格を消費者に払ってもらう努力は、コスト削減をして安く品物を提供する努力と同等に必要なことだ。
出品した骨董品などがネットオークションで思わぬ安値で落札された時の悔しさは並大抵ではない。その落札金額は作者に対して失礼だろう、と思うことがある。単なる仲介でしかない私達も、作り手の悔しさを十分に分かち合えるのだ。品物の価値に対して、きちんと払っていただけるだけの努力が自分たちにも課せられていくのだと思う。
で、吉野家である。4月、牛丼販売各社も値下げ派と値上げ派のふた手に別れた。吉野家は「牛肉、たれ、玉ねぎの3要素を改善し」300円と値上げに踏み切った。この逆風の中で値上げとは、ともあれエライ!
4月3日、所用で岡山へ行った。特産品の「きびだんご」や「ままかり」などには目もくれず、吉野家を探す。見栄っ張りは「吉野家はどこ?」などと聞くわけにもいかず、知らぬ街並みを探索20分。すぐ近くの松屋より2名多い7名の客が黙って食べている吉野家を発見。地方へ出ると気が大きくなるのか、予定していた300円ではなく「アタマの大盛り390円」に変更。う~む、キャッチにあった「熟成の味」はよくワカラナイが、けっこういけるのではないか。自分の舌は信用ならないが、目の前のカウンター席で若い女性が二人とも値上げされた牛丼を食べているのだから、美味しくなっているに違いない・・・・・・・
会計の時に50円割引券(2枚)を頂いた。胸が締め付けられるような共感。だって「値上げをしたものの、やはり客足が遠のくのが心配」というココロがその鮮やかなリーフレットから伝わってくるのだもの。(「くらしのくら」も、春のセールで5月まで有効の300ポイントチケットを配った同志である)
で、「くらしのくら」は吉野家になる!宣言である。
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需要喚起のためだけの値下げをしない
(店が品質向上をできないので値上げはしない) - 「熟成したお品物」はそれ相応の価格を維持していく
- そして、その価値を認めていただくための努力を惜しまない
「くらしのくら」初体験、消費税アップの4月は対前年同月比19%減!相当の逆風です。
でも、スカーレットオハラの「明日の日があるわ」で向かっていきます。
植木等の「そのうちなんとかなるだろう」という気分でもありますが・・・・・・・
2014年5月1日、株式会社蔵は満14歳となります。
さらなるご贔屓のほどよろしくお願いいたします。