モノ語りヒト語り

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ツチネコ一家の門出

「くらしのくら」の守り神、ツチネコが新天地へ旅立つこととなった。お買い上げ頂いたのは15年の付き合いのあるKさんである。Kさんはこの近くにお住いだったが、2年ほど前に遠くへ引っ越された。それでも、年に数回はお店に顔を出してくれる。そんなKさんより着物のリクエストがあり、その着物を手にとってみたいとご来店した。

帰り際に、レジ裏の棚上段に飾ってあった「ツチネコ」に一目惚れしたらしい。骨董愛好家であれば「ネコが連れて行って!と言ったので買って帰った」と「定番のセリフ」をはいたことだろうが、Kさんはただ一言「カワイイ、イイワ」。

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見初められたのは嬉しいが、別れるのも辛い。もう16年近くお店に君臨してきたマネキネコである。どれだけ功績があったか正確にはわからないが、相当のお客様を招いてくれたに違いない。

ところで、この「ツチネコ」、実は三代目である。

15年前、「NOT FOR SALE」と書いてあったにもかかわらず、英語が全く理解できないフリをしたおばさまに引き取られた。その後、二代目と三代目が一時期並んでお出迎えをしていたが、二代目もお客様に見初められ、今は三代目一匹となっていたのだ。

*2012年8月22日モノ語りヒト語り「守り猫」参照

体重で言えば親ネコの100分の1くらいの子猫が可愛い。そのせいか、店に飾っておくうちに、一匹、二匹と子猫が行方不明になってしまった。それでもいいからと、とお買い上げ頂いたお客様がいて、それ以来、残った三代目のツチネコはレジ裏棚の一番高いところに鎮座することとなった。故に、目につきにくいが、子猫は八匹とも元気そのものである。

親子で最後の記念撮影と思ったが、その知らせを聞いて私が店に帰った時は梱包終了寸前!時すでに遅し。今更、梱包を解いて撮影するわけにもいかず、梱包ストップ!と撮影したのだった。あわてたために、日付まで入った写真となってしまった。

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ツチネコの後ろには2000年ポケットのサインがある。2100年には見事アンティークの仲間入りすること間違いない。

というわけで、我が「くらしのくら」のツチネコは子猫と一緒に旅立ち、しばらくは守り猫不在のお店となる。それを聞いたか、我が家の愚猫が「なんなら、店番しようか」とスリヨルのだが、今は思案のしどころである。

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