モノ語りヒト語り

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くらしのくらの守りガメ

当店の守り神はこの亀である。ブロンズと思われる小振りなかたちにリアリティがある。その守り神が呼び寄せたのか、店の斜め向いにある倉庫前にホンモノの亀があお向けになってもがいていた。ブロンズ像とほぼ同じ、全長10㎝。甲羅を持って戻してやると首をすくめて防御体制に入るところはブロンズと違う。

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何故こんなところで寝そべっていたのか分からないが、車道にのこのこ出ていけば、いかな立派な甲羅があるとは言え、つぶされてしまうだろう。

水を張った小さなバケツに入れて保護するしかない。

夕方、仕事を終えて戻ると亀がいない。

バケツの脇にメモが一枚。

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当たり前のことだったが、この亀には飼い主がいたのだった。別にいじめられていた亀を助けた訳ではないが、きっと「恩返し」をしてくれるのではないかと密かに期待している。

玉手箱はいらないけどね。

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