さよならクリスマス！

ある有名なホテルからクリスマスツリーの買い取り依頼があった。そのホテルというのは「御三家」とか「新御三家」とかに入る一流ホテルのひとつである。「ちょっと大きいツリーなんですが、25日の夜に撤去を完了してほしい」ということであった。

スタッフが現場に行ってみると、それは吹き抜けのエントランスの中央に小山のようにそびえ立つ巨大なクリスマスツリーで、高さ五、六メートルはあるというシロモノ。「いくらか」という以前に「いかに」搬出するかということが一番の問題であった。

ツリーに飾り付けたオーナメントだけでダンボール三十～四十箱。分解しても４ｔトラック３台分はかかると判断。次の問題は、どう保管するか。少なくとも来年の十二月まで売れるシロモノでないことは確かなのだから･･････スタッフはしばらく考え込む。

「これは無理でしょう」最終結論。

それにしても、こういうものはプロデュースした側、又は売却した側が使用後どうするかを提案した上で設置するものではないだろうか。一年間保管の上、再利用をすることも一つの考えだし、必要としている施設や地域に提供することもあり得るのではないか。

私たちがこの仕事を引き受けられなかったために、もしかしたら産業廃棄物として処分されたかも知れないと考えると、少しばかり心が痛む。

来年、巨大な松飾りのお買い取り依頼が来ないことを心から願う、という年末の出来事でした。

バカラ　クリスタルツリー(高さ20cm)。

皆様の実り豊かな新年でありますように。
くらしのくら　店主