こくら
報告が随分遅くなってしまい、申し訳ありません。12月20日(金)港区六本木に姉妹店「co蔵/こくら」がオープン。名前の通り「その地域の人たちと共有していく蔵」であり、「小粒でもピリリと辛い稀少品を扱う蔵」に育てていきたい、と思っている。
さて、六本木という街は奇妙なエリアである。「くらしのくら」のある世田谷深沢の住宅街とは著しく対照的である。昼はほどほど、夜はひっそりしてしまう深沢に対し、六本木は昼夜問わず賑わしい街だ。片や、深窓の令嬢、片や華々しいレデイの街。
白のベンツ・・・・・真っ赤なポルシェ
奥深い大邸宅・・・・高層マンション
ローカル・・・・・・インターナショナル
若すぎるとついていけない・・・・歳をとるとついていけない
やっぱりビトン・・・やっぱりビトン
これほど雰囲気の異なる街に何故「こくら」出店か?それはお客様との雑談から始まった縁としか言いようがないのである。
それまで六本木ヒルズの開発もろくに知らず、近くを通ったことも無かったのだが、たまたまお客様の経営しているパイの店に寄った時のことだ。隣の店が長い間空いている、ということを聞き、広さも12坪でいいよね、と話していると、偶然にもその店を所有しているオーナーが来店したのだ。あれよあれよと言う内に具体的な話に。それから1ヶ月、疾走の内に開店を迎えてしまったというわけである。
とにかく人通りはなく、繁華街の盲腸のような道沿いである。芋洗い坂で人はプツンと切れる。決して恵まれた商環境にあるわけではない。「こくら」は日常に必要な商品を扱うわけでもないので、それほど人通りの多い場所でなくてもいいのだが、それにしても・・・という静かな道沿いだ。
ただ、六本木ヒルズが来年4月にオープンすれば少しは知って貰えるだろうという、かなり大雑把な目論みなのである。
もう1つ、この店を紹介してくれたお客様の人柄がこの出店を後押ししたのは間違いない。25年間アメリカンホームメイドパイを焼き続け、バブルもその崩壊もかいくぐってきた人、「こくら」の隣「シャリオ」のオーナーである。ガンバッテミルカ!という気にさせる人なのだ。
元気の出る抜群においしいパイ、一度お試しあれ。
ともあれ、巨大な塊の街=ヒルズに押しつぶされずに、ゆっくりと小さな発光体となれるようゆっくりと、最初の一歩踏み出していきたいと思います。来年も忘れずにページめくっていただけますよう、お願いいたします。
良いお年をお迎えください。