モノ語りヒト語り

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プリプリ君とブラックジャック

郊外の公園を散歩した。落ち葉を踏みしめて歩く。落ち葉は色合いも様々、形も様々で見飽きない。特に虫が喰った跡の残る落ち葉は面白。い数多くの虫が数メートル上の木々に棲息していることが想像できる。あちこちつまみ食いをする虫や、怠け者なのか移動せずに葉脈までも大きく食していく虫、ちょっと食べたら次の葉へ移動していく虫とその性格までも

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(プリプリ君)

その痕跡に表れているようだ。もしかしたら、ハッパの味にもいろいろあって、虫も選んでいるのかもしれない。ハッパの形がなくなるほど食べられているのは、確かにおいしそうである。

虫たちが食べ残した枯葉が落ち葉となって地上に舞い降り、地中の小動物や微生物がそれを分解し、土に戻す。それをまた樹木が有機物として吸収する。何万年と続いてきた見事な「リ・サイクル」である。だが、いまや都心の枯葉は、虫にも食べられずそのままの形で、コンクリートの地上に舞い落ちる。枯葉はゴミとなった。江戸時代は見事なリ・サイクル社会と言われた。

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(シクシク君)

それから百数十年しか経っていない。

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(うっ!)

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(踏むんじゃないよ!)

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(虫喰い美人)

都心のの街路樹の多くの落ち葉はその形を留めていて美しい。食べてくれるはずの虫たちは住めなくなったのか。ハッパはおいしくなくなったのか。理由はあるはずである。

虫たちが居なくなった地域に、人間はより高い価値を与えてきた。私たちは虫たちと真逆の方向に快適さを感じているのだ。

げに、人間は恐ろしい生き物である。

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(ブラック・ジャック)

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