モノ語りヒト語り

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腹を抱えて笑える幸せ

今の時計は電池交換してしまえば1年はもつのだが、昔の柱時計のネジは一ヶ月に一回捲かないと止まってしまう。柱時計は梁に留めてあるので踏み台に乗らなければ届かない。子供のときも今もそれは変わらない。

店には大正時代のキンツレ(ドイツ)と戦前の明治時計、made in occupied Japan の刻印のある愛知時計の3本の柱時計がレジスターの背壁にかかっている。2台は30日捲きだが1台は21日捲きである。月に2回はネジを捲かなければならない。

ある日事件は起きた。昔ならよくある話だ。ネジを捲こうとして踏み台ならぬ脚立から足を踏み外してしまったのでる。左のコシから落ちた。しばらく起き上がれない。

「下が畳だったらなぁ・・・・・・」

 頭は少しこぶができただけであったが、コシはしこたま打ったようである。レントゲンの結果肋骨は異常なし、打ち身、全治1ヶ月との診断。

体全体痛いものの「まあ、たいしたこと無かったか」と思ったのは実に甘かった、と分かったのは寝るときであった。簡単に横になれないのである。脇全体に痛みが走り、動きはスローモーションの如きとなった。朝は朝で起きるために、さてどちらからどのように起きるか考えなければならない。失敗すれば(痛過ぎれば)やり直しである。

痛みをなくす対策を練ることが出来るのはそれでもマシというものである。防ぎようの無いのが「くしゃみ」と「笑うこと」。突然激痛が走る。くしゃみは一瞬にして全身の筋肉が緊張し、笑えば腹筋も背筋も運動する。そして人間の体というものは全てつながっているということを大いに自覚するというわけである。

10日経ってようやく車のサイドブレーキをきちんと掛けられるようになった。腕だけでやっていたと思っていたが、今は脇腹に感謝しながら車を運転している。

20060903

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