断・捨・離は巡る
あけましておめでとうございます。
年末年始のお休みは通常12月31日から1月3日までなのですが、定休日と重なり12月29日から1月5日までの長いお休みをいただきました。とはいっても、29日も、5日も大掃除やら、セールの準備やらで、シャッターを下ろしてのテンヤワンヤでございます。
「断・捨・離」が流行しておりますが、実に今の時代に即応した知恵かと思います。私は、取っておいた何年分もの年賀状、新聞の切り抜き、昔の会社の書類などをやまと捨てました。実に気分さわやかです。ですが、よく良く考えてみますとそう単純な話ではないような気もするのです。
まず「断業」。要らないものを断つ、すなわち余計なものを買わない、貰わないことのようです。まさに正しい。ですが、買い物で失敗するのも楽しいし、いらないものであってももらうのは嬉しいものです。余分はゆとりを生みだすエキスと言うのは言い過ぎでしょうか。「後悔」とか「反省」があってこそ「いい買い物」も出来るとういものです。
さらに、「捨行」。いらないものを捨てる、という意味でしょうが、捨てる前に見極めが大事だと思います。親の遺産整理などで、自分に関心の無いものをゴミのように捨てるのはいただけません。「捨」の見極めがつかないときは、リサイクルをしましょう。タオルをぞうきんに、着物をコートにと、リフォームや、他の人に使ってもらうリユースを考えるのもよろしいのではないかと思います。
そして「離行」。モノに執着しない。これが一番難しい。普通、人はモノやヒトに執着するから、ドラマがあるのであって、執着を失ったらモノを創り出す原点が無くなってしまわないだろうか、と不安に駆られます。
みんなが「断・捨・離」を極めますと、聖人君子の世界になってしまい、私たちは、即座に干上がってしまいます。
年末は「断・捨・離」を唱えながら、多くの人が大掃除をなさったことでしょう。またしばらくして、モノに執着し衝動買いをしたり、反省したり、仕舞い込んだりしていく方も多いのではないでしょうか。そして、そのサイクルに嫌気がさしたり、整理をしなければならない事情ができたりすると、呪文のように「断・捨・離」を唱える…………
そうなることを望んでいるわけではありませんが、そういう人間が大好きです。ま、私もそのヒトリに違いありません。
本年も御贔屓よろしくお願申し上げます。