私の景気ウォッチング
酒の席では「バカな上司のもとでどれだけ頑張っているか」という類の話で盛り上がったものだが、今や「どれだけ俺のほうが病気持ちか」と自慢しあう飲み会が多い。さらに、昨今はリサイクル業界でも「どれだけウチのほうが売上を落としているか」の不景気自慢が多い気がする。
赤信号みんなで渡れば怖くない、という名言があったが、「赤信号、独りで待ってる訳じゃなし」を確認し、少しばかり同志がいることで安心したいのである・・・・私は。
雨が降って桜が散り始めた頃、久しぶりにタクシーに乗った。
「雨だとタクシーは稼げるんじゃないですか」
「とんでもない。少しは増えるけど昔と全然違うよ。雨でも電車使うから」
「アベノミクスで景気良くなっているって・・・」
「銀座も接待増えたなんて思えないね、まだまだ時間かかるんじゃないの」
これが私の景気ウォッチングだったが、新聞報道によると「8日、内閣が発表した3月の景気ウォッチャー調査によると、人々の景気の実感を示す指数は57.3と2008年の調査開始以来、06年3月と並ぶ過去最高となった。(朝日新聞2013年4月9日)」とのこと。この深沢近辺の商店の人に聞いてもその実感は無い。勿論、「くらしのくら」も同様である。
1つだけあげれば、スプリングセールの売上は前年対比で下回ったが、貴金属部門だけが144%とヒトリ気を吐いたことである。デパートでも株価の上昇に伴い、美術品、宝飾品なが高額品が好調らしい。これが、景気が上向いている前兆であれば嬉しいのだが・・・・・・
リユース品を扱うリサイクルの世界は飛行機の車輪のようなものだ。景気が悪くなる時(着陸時)はまず一番に影響が出て、景気が良くなる時(離陸時)は最後となる。
でも、飛行機のタイヤは離陸の一番大事なときに働き、飛行中はひっそりと格納され、いざ着陸となると火花を散らし身を削って機体を止める。目立たないし、余り注目もされず、しかも謙虚。そんな飛行機の車輪、ワタシ尊敬しております。