モノ語りヒト語り

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熟成の味は格別に甘い <リサイクル品の有効利用は?>

一日一片お酒と一緒に食すと悪酔いしないので黒ニンニクは定番のつまみである。
黒ニンニクを販売している店は少ないので、出かける度にあちこち探し回る。
結構な値段をつけている商品も多く、安い商品を探すことに精をだしている。
安い黒ニンニクを見ると思わず財布を空っぽにする覚悟をして買い占めていた。

長野県に旅行した際に神社のそばで露店の八百屋さんに巡り合った。
地元の野菜だろうか、トマトも山芋もキャベツも採りたてのようだが販売の単位が大きい。
トマトは15,6個とか山芋3本セットとか食べ切れるのか不安になる量である。
その中で5~6キロもあろうか、ネットに入ったニンニクに目を奪われた。
だが、いかにニンニクが大好きな私とてこれほどの量を消化しきれるわけもなく、はて?と思案。
それを見た恰幅のいい店主が
「これはなあ、黒ニンニクにすればいいんだよ」と。
「え?こんなに大量でも?」

「炊飯器に入れて保温にして、2週間ほっとけばできあがるよ。」
ただ、炊飯器は匂いがついて使えなくなるけどな

それほど難しい作り方でないことは知っていたが、
ダメになる炊飯器と近所迷惑な匂いを考えると二の足を踏んでいたのだ。
 そういう時はプロに背中を押されるのが一番である。
「黒ニンニク作り やるっきゃ無い!」

車に大量のニンニクと野菜を積み込んだ。車内にニンニクのニオイがゆっくりと回り始める。
帰り道に電子ジャーを手に入れれば用意万端となる。
リサイクルショップを目にすると、店内でジャー探しである。
食堂などで使う大きな保温ジャーがベストだが、いざ探すとなるとなかなか見つからない。
大きなリサイクルショップでようやく1台発見。
値段がついておらず、店主に聞くと7,000円とのこと。
8年経過した電化製品にしては高すぎないか?
とリサイクル屋らしからぬ素人判断でパスすることに。
(あとで業界のプロに聞くとごく普通の値段とわかる)

 帰京後、リサイクルの同業者から大型の電子ジャーを譲ってもらい、
早速黒ニンニク作りに挑戦!


<保温スイッチを入れっぱなしで2週間となるとジャーが壊れないか心配だが、
それより5メーターほどの距離までニオイがするので、
クレームがこないかと隣近所を見渡す日々が続く>

以下黒ニンニク作成手順

1 電子ジャーにカゴを敷き、一列に並べてその上にまた一列と三段に重ね置く。
最後に手ぬぐいをかけて電子ジャーの保温スイッチを入れる。
二日おきぐらいにニンニクの上下を入れ替える。
(蓋をしていても湯気とともにニオイが発生するのだが、蓋を開けた瞬間、
ジャーに溜まっていた温風と共に強烈なニンニク臭が顔を襲う。
ご近所の皆様、申し訳ありませんでした)

2 雨の日にはビニールをかけたダンボールの箱で覆い、ジャーが濡れない対策をする。

3 二週間後、ニンニクの表面が薄黒くなりニオイもやや収まった時点でスイッチオフ。

4 更に二週間ザルに入れて自然乾燥(この時点でニオイはほとんどしなくなる)
これでこの黒ニンニクを半年は常温で保存できる。


<出来上がった黒ニンニク。ザルに入れて乾燥>

トロリとした黒ニンニクは皮を剥く時に慎重さを要求されるが、
口に入った途端ゼリーの感触と蜜のような甘さがたまらない。
熟成の甘さである。ドライフルーツにある甘さに近いので
ウエットフルーツとも言っても良いのかもしれない。
以前に買った黒ニンニクと味試しをすると、自家製がずっと甘いことがわかる。
自家製は失敗することが多いが、成功したときの喜びは格別である。


<手にもつと、すぐつぶれるほど柔らかい。一片を食べるともう一片と手がのびる>
これで、安い黒ニンニク探しの楽しみは無くなったということですね。
美味しいことで有名な香川県のニンニクを大量に仕入れて、
あと半年分の黒ニンニクを作るのが楽しみとなりました。
★使用したジャーのニオイは永遠にとれないといっても過言ではありません。
したがってもう一度リサイクルすることはできないと思いますのでご承知下さい。

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