モノ語りヒト語り

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桜もリサイクル!

桜の蕾が膨らんだのは2022年3月13日。

2日後に満開となった。

この桜は2メートルほどの若木で鉢植え。

昨年の暮れ、引っ越しでお買取りをしたお客様から「転居先に持っていけないので、
引き取ってほしい」と言われ、運び出したものの売れるわけもなく、
我が家の狭い庭の片隅に「放置」していたのだった。
一見、枯れ木のように見え、処分する手立てもわからずにいた。

草刈をしていた家人が「さ、桜が・・・」と驚いて声をあげた。
栄養剤を入れてはいたが、まさか花を咲かせるとは思っていなかったので、
その驚きは蕾の大きさの数十倍である。
蕾からたった3日で満開となるのは、この数日の極端な気温上昇によるものなのか、
この桜の品種なのか。
そもそも、この桜はソメイヨシノなのか、もわからない。
だが、枯れ木のように見えても、花を咲かせる準備を見えないところでしていたのである。

薄紅の蕾に「捨てられたかもしれないモノが再生する小さな感動」があったのは間違いない。

江戸時代、川の土手に桜を植えたのは「桜を見るために多くの人が行き来することで、
手間をかけずに土手を踏み固めることができた」のがその理由だと聞いたことがある。
江戸の人々の知恵に敬意を表するが、
この小さい庭を踏み固めないようにしながら、短い間、桜を愛でていきたい。

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