『ジノリのブルーローズ?!フッチェンロイター・インドの華?!』私のオススメは・・・
先日閉店してしまうというレストランから
いくつかのデミタスカップをお買取させていただきました。
デミは手のひらに納まってしまうほど小さくて可愛らしいですよね。
今回入荷したものは、どれも絵柄やシリーズがとってもおもしろかったので
ご紹介させていただきます!
まずはリチャード ジノリのブルーフラワーブーケ。
白磁にブルーのペイントというのはロイヤルコペンハーゲンやマイセンなどでも定番ですよね。
もともと洋食器はアジアからの輸入モノを真似て作られたようですから、
有田焼の染付のような器を真似たと考えるとそのようなペイントが多いのは当然とも言えます。
そして実はイタリアンフルーツなどカラフルなパターンが人気のジノリにも
ローズブルーというロングセラーがあるのです。
でもこちらのお品はそのシリーズでもない、チューリップのような絵柄でとってもめずらしい!
(そういえば似た名前では大倉陶園にブルーローズという定番シリーズがございますね。)
お次はマイセンのインドの華やナルミのミラノシリーズと似た絵柄、フッチェンロイターのカップ。
フッチェンロイターはブルーオニオンシリーズも
マイセンから正式に絵柄を譲り受けて製作していますよね。
他の窯と似たシリーズが多いのは、もともと絵付け工房から発祥した窯だということも
関係しているかもしれません。他の工房で絵付けだけ下請けするという話はよくありますからね。
ちなみにデンマークのビングオーグレンダールには、
同国のロイヤルコペンハーゲンの定番・ブルーフルーテッドにそっくりな
ブルートラディショナルやバタフライというシリーズがあるので、
気になる方は調べてみると面白いかもしれません。
最後はどこかの定番シリーズに似たものがあるという訳ではないのですが、
華やかで可愛らしいパターンなので。
アビランド リモージュのカィユ。ウズラが穀物を食べている絵柄です。
ウズラという鳥は畑で見かけると豊作になるなど世界中で縁起がよいという話が残っている鳥で、
日本で言うとスズメと米みたいな感じでしょうか。
だんだん、縁起物のウズラとアクセントの金彩がいかにも福を呼びそうな絵柄に見えてきましたね。
少し長くなってしまいましたが、
近い地域のブランドでは文化が近いこともあり似ているシリーズを見かけることも多々。
そういう相関関係を学ぶのも洋食器のひとつの楽しみ方かもしれませんね。
田渕